採用活動を担当したり、実際に面接をするようになったら。実務観点で読みたい本はこちら。
細井智彦著「本当に使える人材を見抜く採用面接」高橋書店
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私自身数年前に採用面接を担当するようになり、何ら面接に関する予備知識もなければトレーニング経験もない中で慌てて書店に走り、購入しました。
本書は、分厚い本ではありませんが、採用面接を行うにあたっての心構え、面接中「どのような意図」で「どのような質疑」を行うと人材を見極められるのかといったことが、実務視点でわかりやすく記載されており、いまでも面接の機会がある都度、事前の再確認に使っています。
採用面接で大切なこと
私が実際に採用面接を担当するようになって、大切だと思っていることは以下5点です。
- 採用するポジションをしっかりと定義し、欲しい人材のイメージを固めておくこと
- 入念に事前準備を行い、確認したいポイントを明確にしておくこと
- 複数の面接官がいる場合は事前打ち合わせを行っておくこと
- 面接の会話にしっかり集中すること
- 評価はできるだけ終了直後に言葉にしておくこと
やはり何事も同じで準備がとても大事だと実感しています。
どんな人を採りたいのかイメージが明確になっていて、そこにピタリと当てはまる人材かどうか、それを見極めるためにどのような質問をするか。面接する側であったとしても、「行き当たりばったり」というわけにはいきませんので。
あと、実際に面接を行っていて面接官同士の事前のコミュニケーションも必要だろうと思います。それぞれどんなことを聞きたいと思っているのか、重複の可能性もありますので。もちろん、入社面接の都度プレミーティング1時間もできませんので、かなり効率的に行う必要はありますが…。
面接で確認したいこと
私の場合は、経理・財務関連のポジションで採用面接を行うことがほとんどですが、以下の点をとても重視しています。
- 公開情報などをもとに、応募している会社のことをしっかりと勉強し、理解していること
- 面接の会話の中で、会社のミッションや中長期ビジョンに強い関心、共感をもっていること
- 自らのキャリアビジョンと、応募ポジションに一貫性があること
初めて新卒で就職活動を行ったときは、応募する企業やその業界について勉強すると思います。あるいは顧客や取引先企業と面談するときには相手の状況など確認します。中途採用でも同じですね。
たとえキャリアを積み上げて専門性含めて自信があるとしても、応募する会社のことについてあまり勉強していないな、と思わせる質疑では、採用側としてはモチベーションが下がるように思います。
たとえ本心からではないにしても、礼儀としてでも勉強してインタビューには臨むべきだろうと思います。それができてないとすれば、まずはビジネスパーソンとしての基本姿勢がどうか、といわれる可能性もありますので。
本当に専門性含めて実力ある候補者の場合は悩みますが、結局この辺りを押さえておかないと、入社後長くつづかないこともあり、重点確認ポイントと考えています。
一番大切にしたいこと
私が採用面接するにあたって一番大切にしたいこと、それはポジションに応募し、面接に来てくださった候補者の皆さんが、「一緒に働きたいという気持ちになってもらえるように心がける」ことです。
本書においても指摘されていますが、採用面接は会社の側が採用するかしないかを決めているだけではなく、応募者の側も会社を選んでいるのであって、その点を忘れてはならないという指摘は、実務視点でも本当にその通りだと実感します。
面接という非常に限られた時間のなかで、まずは選んでもらえる状況をつくることが最優先。会社としてその候補者を選ぶかどうかはその次でかまわないのです。
その点は、私が転職にあたって担当してくださった人事採用の方から学んだことでもありました。最終的に入社してもらえることになった場合、モチベーションも非常に高くなり、好循環になるものと思います。
まとめ
本書は上記のようなポイント、より実務的な質問の仕方などについて記述されています。採用面接など担当されている皆様は一度お読みになられるとよいのではないかと思いますし、実際には採用面接を行う機会がない方にとっても、人事視点でものを見るうえで参考になる一冊です。
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